家電市場変える「IoT」―技術新潮流、映す米見本市
世界最大の家電見本市「CES」に関連した
今日日経10面の記事です。
とてもわかりやすく重要な記事なので、ポイントをまとめておく。
・主役は高精細テレビや携帯端末から、
様々なモノや装置をつなぐ「IoT(インターネット・オブ・シングス)」と呼ばれる新技術へ
・開幕初日、米インテルCEOが、
基調講演で「Nixie(ニクシー)」という新製品を紹介すると、会場から大きな歓声が上がった。
腕に巻いたヒトデのような装置が宙に舞い上がったかと思うと、
空中で登壇者たちの写真を撮り、再び戻ってきたからだ。
これは、ドローン(無人飛行機)で、各先端に回転翼があり、
インテルが開発した超小型の半導体部品「エジソン」を使い、
米シリコンバレーのベンチャー企業が考え出したものだ。
※ドローンに搭載されていく先端技術をこれからも引き続き追っていきたい
・インテルがこうした技術に力を注ぐのは、
パソコンや携帯端末の次に来る新市場を開拓するのが目的で、
「今年はIoTやウエアラブルの大波がくる」と訴え、エジソンより小さいボタン大の部品「キュリー」も発表。
・見本市には世界から約3600社が出展したが、
今回はウエアラブルなどIoTの専門コーナーを設けたという。
・そこで存在感を示していたのがセイコーエプソンだ。
従来のプリンター製品などに代わり、眼鏡型ディスプレーや腕時計型端末などを展示。
碓井稔社長は「ウエアラブルの売上高はまだ数十億円だが、5年後には1000億円を目指す」という。
・IoT関連でさらに注目されたのが自動車や住宅の分野だ。
ドイツのアウディやダイムラーは最新の自動運転技術を公開。
アウディはシリコンバレーからラスベガスまで約900キロメートルを完走させ、
ダイムラーは自動で走る際に運転席が回転し、後部座席と向き合って座れるコンセプトカーを披露した。
・会場を訪れた独家電見本市「IFA」の主催責任者、
イエンズ・ハイテッカー氏も「メディアではサムスンよりダイムラーの扱いが大きかった」と語る。
(※産業のトレンドを発信する見本市主催者の責任者をしていた経験から、
本当に見本市というのは未来の潮流を読むのに役に立つので、米国・ドイツの見本市に足を運ぶことを
オススメしたい)
・携帯部門の体制を一新したソニーは今回、スマホの新製品発表を見送った。
平井一夫社長は「最新モデルを米通信会社に納めたばかりだから」と釈明するが、
携帯市場全体の息切れとも関係しているだろう。
・2020年の東京五輪を控え日本企業は4K・8Kの高精細テレビの開発に力が入る。
だが来場者の関心はむしろネット技術を駆使したスマートテレビの方にあったともいえる。
結局、ドローンにしても、ウェアラブルにしても、自動運転車にしても、
この「IoT」をいうキーワードを抜きに語れない。
そして、最後に出てきた、「来場者の関心」。
これと日本企業の開発が沿ってなければ、またガラパゴス製品の宝庫になってしまい、
日本の競争力を低下させていくことになるだろう。
今年はこのCESを見れなかったが、
私が今でもアドバイザーを務める米国の見本市主催者の
足を運んだシニアバイスプレジデントからは、
「燃料電池自動車」の存在感はなかったと聞いている。
見本市を読み解ければ、今期、来期、再来期の売れ筋が見えるので、
ぜひ活用してはいかがでしょうか。