こんばんは。
朝香です。
8月上昇の大半が1日で吹き飛んだ株式市場は、
日々ほんのわずかにヘッジを積み重ね、
先週の月曜日にその15倍ヘッジを入れた報告をした身としては
想定線軌道の続くありがたい展開でした。
また、
このブログで
6月・7月のFOMC解説を
読んでおられたら、
近しい感想になると思うのですが、
ジャクソンホールでの
パウエル議長講演は、
愚かな株式市場への愛想をつかした態度表明のような
30分枠に対しての約8分の講演で、
特段のサプライズはありませんでした。
(強いて言えば、他の連銀総裁が事前講演等でフォワードガイダンスしていたように、次の9月の会合での4%を含むドットチャートの一段上げの可能性の選択肢を、議長も念を押したくらいでしょう)
講演直後の株価(数分レベルですが)、
特にナスダックに関してはプラス圏までいっていますし、
パウエル議長の講演内容が
直に超タカ派だったから株価急落という一般記事も
一部で散見されますが、
それはちゃんと見るべき指標を
見落としているんではないでしょうか。
パウエル議長が何かを言う前から、
欧州の某指標は今年の1月レベルのメガトン魚雷のサインが点灯し始め、
世界経済の防波堤たる米住宅市況は、
15~24日までの結果と統計を鑑み、
過去の遡れる限りでデータを加味すると、
リセッション回避確率0%の数字が出てきており、
(今月は先月同様に月末偏重の展開で申しわけないのですが、この2点とも月末までに必ずシェアします)
特段何もなく無風で通過したからこそ、
欧米の経済市況を素直に反映した方向に
株価が流れただけ、
7・8月の株価のリバウンドマネーゲームを
数か月前からずっと想定してきたわけですし、
市場が通常モードに戻りつつあるだけ、
そのように感じました。
(9月5日のレーバーデイ以降には主たるプレイヤーが戻り終えると思います)
さて、
そんな変化の激しくなり始めた
株式市場を定量分析しようと、
とても数字が動いたため、
またまたその背景を探る作業に
かなりの時間を費やしました(*1)。
計算したLMI自体は、
まだ過去の70-80年代に経験した範囲内の数値だったのですが、
その変化の元になった「米・住宅雇用MIX指数」という指標が、
この60年間で過去最高の
70-80年代のインフレでもリーマンショックでも
今だ経験したことない数値となっており、
その計測と分析に時間をさらに割いていました。
そして、
そうこうしている間に、
また米金利は大きく変化し急騰中のため、
LMIは再計算を明朝から全速力で行って
後場から夕方のどこかでシェアします。
一方で、
再び大変な作業とはなりましたが、
LMIの構成のひとつである住宅雇用MIX指数が、
(仮に今後の相場が73-75年/79-81年/06-08年型のどれの相場に類似しようと)
今年1月からの
つまらないヘッジ・守備主体の相場対応の
卒業タイミング・出口を教えてくれる
切り札になりそうなため、
こちらに関しても
必ず月末前に長期チャートでシェアします。
シェアすることで、
これからFRBが進もうとしている道が、
1960年以降のデータが取れる時代で
初めての道を行こうとしていることを明示し、
ますます投資家の側も
データ次第で対応することの大切さや
9月以降の秋冬に見逃してはならない指標も
厳選してシェアします。
あとは、
インフレ期待の大小に振り回されない為かつ、
経済指標という過去の遺物ではなく、
何を観ればインフレ鎮静化に先んじて相場を乗り切れるか、
わかりやすくたった一つの指標を示します。
今年は嫌な流れの中でも、
昨年の初夏に多くの米国株の異常的割高をシェアし、
(そのミクロがマクロを形成していると判断できればよかったのですが・・・)
1月1週以降に相場の異変に気付いてからは
相場の下り坂への全面対応(*2)、
そして6月には7・8月の自律反発相場と
的中してしまった戻り目安の参考域とその後の暴落、
ここまではマジョリティの
混乱に呑み込まれることなく、
いざという時のマイノリティ対応で、
乗り切ってきました(*3)。
相場はこの9月から
新章に突入していく気配が濃厚ですが、
引き続き相場や経済指標の発する信号を的確にとらえ、
中長期の大きな大きなチャンスまで、
ディフェンス的攻撃をし続けていきたいと思います。
現在、
諸事情で重たいデータ処理ができない為、
文章だけで恐縮ですが、
次の更新までしばしお待ちください!
<蛇足>
金曜日はジャクソンホールの
パウエル議長の様子を
可能な限り追っていましたが、
日本時間0時半あたりに
肩を落としておられる時に、
ブレ―ナード副議長とウィリアムズMY連銀総裁が
明るく激励している姿が印象的でした。
わたしが議長の立場でも、
勝手に先走った市場が愚かなだけで、
せっかくワイオミング州の気持ちのいい避暑地に来ているのに、
過去に言ったことと
他の同僚がフォワードガイダンスしてくれたことだけ
とっとと数分でしゃべって終わってしまいたいと思うでしょうし、
ほんとすでに十分に9月のFOMCに向けて
記者会見でも議事録でも説明を尽くしていたわけですから、
それで株価急落をパウエルショックなんて言われたら、
がっくしですわ。
でもそうじゃない、
そうじゃないですからね。
NYが急落する前には
欧州で魚雷が久しぶりに炸裂してたし、
15-24日の米住宅市況だけで判断するなら
リセッション回避成功率0%のサインが点灯してましたから。
大きなサプライズが無かったことで、
市場は足元の市況や経済指標を素直に相場に反映し始めただけ、
ただそれだけ。
では、
今月もあと2日間ちょっとではありますが、
データ計測体制を再び整えて、
わたしと同じ相場の景色をシェアして
今月を終えていきたいと思います。
<補足・注釈・お知らせ>
*1
【お知らせと変更】
LMIを計算したら、
今後は簡易分析抜きで数値(とあっても一言くらい)だけで
発表したいと思います。
LMI(長期相場判定ナビ)は、
100超の私の分析した確率優位のルールや法則を背景にしていますが、
コンピュータの処理している部分も多々あり、
数値の変化背景を完全に突き止めようとすると、
毎回多大な時間を要して記事に上げるのが遅れてしまいます。
今回はその作業をしたからこそ、
過去最高値の異常値を突き止められたという恩恵もあるので
難しい判断ではありますが、
今朝も先週分のLMIの完成数値は手元に完成していたので、
この形であれば更新できたと思いますし、
まずは数値だけを公表して、
あとでゆっくり自分の擦り込んだ相場分析・法則と照らして、
数字の背景を分析し、
必要であればそれをシェアする形にしたいと思います。
*2
このブログでは短期~中長期までの運用をメインに発言していますが、
まだ人生の終わりまで30年以上残っている投資家のみなさまは、
1月にも書いたように全世界株投信のような超長期で行う「資産形成」は
どんな苦境でも雨でも継続して続けることも忘れないでほしいと思います。
今年のような相場でも年間で買い下がっていれば、
まだプラス圏だと思いますが、
超長期の資産形成=30年目線で主要な世界株、バブル後の日本も含めて
マイナスになった事例をしりませんし、
資本主義の続く限り、
株の超長期積立は個人の富に貢献してきましたから、
ぜひ運用と形成との区別をしてお読みいただきますと幸いです。
なお、
資産形成が終わっておられる方も意識して、
これも守備を固めた1月以降に何度か書きましたが、
HVDのような高配当株ETFやJEPIのようなヘッジも兼ねた毎月分配ETFでも
なんとか守りながら小さな果実にはなっていると思います。
*3
どうしても出版の関係で10倍株のイメージが強いですが、
全体相場(森)の分析をまず第一にしていますから、
小型が冬眠している時にでも
SP500や日経平均などの全体指数の投資ヒントにも活用すれば、
ブログが大いに役に立つのではないかと思います。
いずれにしても、
いざ関ヶ原の大勝負の時に
余力がないという事態だけは避けられるよう、
相場環境とサイクルから逆算して、
引き続き守りも大事に攻めを考えていきましょう。