今日の日経に、
住友化学が
ポーランドに
低公害ディーゼル車向けの排ガス浄化部品工場を建設するとのニュースが出ていた。
投資額は約150億円で、
乗用車換算で年210万~240万台分の部品を生産し、
主に欧州の自動車メーカーに販売する計画で2013年秋の稼働を見込むという。
住友化学といえば、
経団連の米倉会長の母体だ。
このタイミングでの発表は、政府要人の来日と無関係ではないかもしれない。
実は、数日以内に私は初めてポーランドの政府高官と会う。
投資誘致の産業分野を広げたいとの事で、
好き勝手な意見でいいとの事なので、お受けした。
正直、
つい先日までポーランドが非常に伸びている国だとの認識もなかった。
調べてみると、
自動車産業の誘致に成功しているようで、
トヨタがディーゼルエンジンを作っており、
ダイセルはエアバッグを膨らませる装置を、
住友電工はワイヤハーネスを生産しています。
ブリヂストンにいたっては、
太陽電池用の封止シート工場を13年にポーランドに建設するなど
自動車産業以外の設備投資計画がある。
しかも、JETROに問い合わせたところ、
今やポーランドは欧州の中国と呼ばれ、
EUの中でも来年の成長率などは3位と見込まれるほどだという。
私としたことが乗り遅れてしまった。
(先行して乗っていたら、まずこう記事は書かないでしょう・・・)
また、東欧事情に詳しい専門家に問い合わせたところ、
下記の意見が返ってきた。
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ポーランドはEU中、唯一原発施設の無い国です。
いまの情勢は明らかに脱原発であり、
世界においては代替エネルギーはLNGで決まりです。
このLNGの豊富な資源を有する東欧の中でも、
最大の埋蔵量がある国がポーランドなのです。
シエールガスイニシアティブといって
ポーランドはこの自国でのエネルギー供給により長年のロシアとの
呪縛が大きく変化すると思われます。
全世界のシエールガスは可採埋蔵量だけで400年分あり、
コンバインドサイクル発電によりCO2問題も、危険な放射能も全て解決し、
しかも建設費用は原発の10分の一という施設です。
しかも、
米国はメキシコに大規模な供給設備を作り、
2014年のパナマ運河大改築以降は最大級のタンカーで輸出してい
く予定です。
何よりアメリカの抱える債務の最大の原因が石油の輸入なので
シエールガスイニシアティブは
アメリカが立ち直るトリガーでもあります。
同じく、金融危機に見舞われているEUですが、
今後ポーランドとの関係は日本にとっても重要となるでしょう。
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何?
なんでこんな重大な動きを見過ごしていたのだ。
私の中でシェールガスは主流にならないという思い込みがあったからか。
しかし、
米エネルギー省は同国の天然ガス生産量に占める
シェールガスの割合が2009年の16%から35年に47%に拡大すると予想しており、
需要拡大をにらみ、日本の商社なども相次ぎ投資している。
実際に、三井物産は6月、
米マラソン・オイルがポーランドで保有するシェールガス権益の9%を取得すると決めている。
これは、ポーランドに行ってみるしかないな。
世界はまだまだ広く、今日の常識が明日の非常識になる。
こういうワクワク感があるから人生は面白い。
テクニカルの無機質な株投資もいいが、
やっぱりこれこそが投資の本流だ。
そういえば、インドに投資を始めた時も、
最初はなんでインド???と思いましたが、
米国国防省のセキュリティーレポートを読んで、
見方が180度変わったところから始まった事が思い出されます。
今回もポーランドに対する見方が変わりました。
きっとこれも何かのご縁なので、
何らかの投資チャンスを必ず見出したいと思います。
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