今日からフランクフルトでモーターショーが始まり、
ホストの独をはじめ、
「自動運転」
の未来を競う展示に注目が集まる。
上海のモーターショーは
「EV」が展示の主役だった。
そして、
今日の日経1面にも
英仏に続き
「中国、ガソリン車禁止へ」の文字が大きく掲載されていた。
この自動運転とEV主体のパラダイムシフトは、
すでに3年ほど前の
こちらの本で日本勢への警笛を鳴らしていた。
まだこの本を出した当時は、
「まだ拙速にそんな未来はこない」と言っていた
日本の自動車産業団体の幹部と話をすると、
「こんなに早くシフトが進むとは」と焦っている。
これを読み切れなかったのは、
業界団体やマーケティング各社の
手法にも問題があると思う。
筆者も日本人だから、
海外に行くとトヨタの総合力を褒められ、
マツダのディーゼルを褒められ、
日本をヨイショされる。
これでは世界主要各地のモーターショーで、
いかに日本の自動車団体の英知のトップが
ヒアリングしてもしたたかな戦略は描けない。
だから、
私は中国パビリオンでは中国人の、
ドイツ企業にはドイツ人の、
ボルボには親会社の中国人を向わせて
未来を語らう場であるショーでヒアリングを行った。
そうすると、
「中国は本気でEVで自動車の世界勢力図を変えてくる」
とか、
安全の新基準として
「自動運転に向けた車の進化でドイツ勢世界トップを盤石にする」
とか、
そういう声が拾えた。
(当時の記事には書きましたが、中国語も使えるので、自分でも日本人であることを隠して
ヒアリングするなど、このパラダイムシフトの本気度を探るべく、自分の足も最大限使った)
一方これを聞いていた当時、
国内では天下のトヨタが燃料電池で未来の天下を取ると宣言しており、
親しい自動車産業界のブレーンの方もこれに追随されておられた。
しかし、
これが非常に違和感があって
親しい友人の母上のご実家がオーナーである
会社のビジョンにケチをつけることになろうとも、
(事前に自分のヒアリング内容や本の主旨をお話し筋を通しましたが)
産業の最前線で見聞した
草の根活動を本の内容に盛り込んで出したのです。
最近、
ようやくこの
「自動運転×EVの未来が課題はあってもやってくる」
風潮が当然のようなビジネス誌紙面になってきているが、
やっぱり産業の見本市やショーは現実よりも2~3年早い
産業の新常識とそれに向けた動きを察知し仕込む場としては最適だ。
昨年は工場自動化の展示会で何度も褒めたキーエンスの株価も、
それが活きた結果を導いてくれている。
ぜひ足を運んでいただいてA社、そしてA社のライバルB社、
続いてA社、B社の国のライバル国のC社などの企業ブースで、
偉そうな人、一般の社員、技術説明員など、
幅広く意見を聞いてみてほしい。
そうして、
その産業界の未来での勝ち組を選び抜いてほしい。
短中期的な株価はきまぐれだが、
長期的にはバフェットの言う通り、
体重計のように、
株価は業績に収れんしていく。
投資のヒントが詰まった見本市で
ぜひ長期成長期待の株を
自分目線・実感で見つけて頂きたい。
10月3日から始まる
国内最大級の家電・IT見本市のシーテックにも
インド勢が初めてパビリオンを構えるようで、
本当に見本市は時代を映す鏡である。
あなたがこれを読んでいるスマホの回線の5人に1人は
NEC、富士通でなく華為など中国・アジア勢の
インフラで読めていることを何人が意識しているだろう。
このインフラ浸食が当然化する10年ほど前、
中国勢の日本の見本市でのブースの展開、
基調講演枠での経営トップのスピーチなどが
始まって今に至る。
今度のインド勢の初パビリオンは
日本のIT・エレクトロニクス業界にどんな変化をもたらすだろうか。
そういう見方を持つと、
また違った学びや楽しみが見本市にあるのではないだろうか。
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