【記事作成 2023年4月29日 最終更新 2023年5月9日 22:05】
の続記事です。
バフェットが
5大商社に投資を始めた夏、
その当時の5大商社に対する
私のバリュエーション一覧から
観ていきましょう。
<2020年8月 5大商社の株価バリュエーション評価>
バフェットの
5大商社への投資が
明らかになった2020年8月初頭。
私のバリュエーション評価でも
すべてがテンバガー・ポテンシャルを持つ
Cランク以上
かつ総合評価の
GARPレシオも3.3以下。
(マイナスはペナルティではないです)
さすがはバフェット、
なかなかの優良バリュエーションで
買われたなあと、
そんなくらいにしか
まだ思っていませんでした。
ところが、
であります!!!!!
バフェットは
この時の5大商社への投資を
「バカバカしいしいほど破格・激安(Ridiculous Price)だった」
とおっしゃった。
しかし、
なぜそんなにありえないほどの破格なのか、
私の分析力だとわからなかった。
確かに、
例えば当時の三菱商事のPER14倍程度は
割安とも言えるが
激安といえるほどではない。
さらには、
PERだけを単体で評価しない
ことも知ってます。
あ、そうだ!
日米の100倍株を研究して、
一般の投資家でも算出が容易なGVRは
すべて0.5未満で激安だから、
すごいぞ、GVR!
と言いたいところですが、
バフェットは従来より
「PBRはバリュエーション評価においてそんなに重要でない」
とおっしゃっているし、
後出の表を見ても、
バークシャー(チーム・バフェット)が
アップルに投資した時の
GVRは11を超えています。
これらをすべて考慮すると、
私の
超大型株・分析能力では、
どうしても
当時の5大商社の
バカバカしいほどの激安度合いを
理解できなかったのです。
しかしこの4月中旬、
バフェットが日本にいて、
一部のチームバフェットや投資関係者もいる、
その手がかりをつかむため
行動するのは今しかないと考え、
土下座してでもの気持ちで
ヒントをつかむ機会を模索しました。
そうして、
私はこれまで全く行ってこなかった
分析の視点に触れ、
本当に、
生まれ変わったつもりで
財務指標分析の総見直しに
着手したのです。
(ご質問・詳細厳禁で申し訳ないのですが、ビルゲイツに衝撃を受けた経験のように本に残す事はあるかもしれません)
おおざっぱには
世に明らかになっている
キャッシュフローの使い方などを
ゼロから見直したのですが、
その結果できた
バリュエーション評価一覧が
下記になります。
(「バフェット割安成長レシオ」と名付けました)
<「バフェット割安成長レシオ」による 2020年8月 5大商社の株価バリュエーション評価>
一番左のBGRは総合割安度を
お隣の財務収堅性は財務の収益効率と安定性を
それぞれスコア化したもの。
これをつくるにあたって、
後出のバークシャーの投資先を
研究しました。
三菱商事なんて、
もはや衝撃的すぎる
割安度0.19・収堅性スコア100越え
の結果です。
(数字の衝撃度合いは、記事を末文までお読みください)
たしかにこれなら、
バカバカしいほどの激安かつ
収益性もある堅固な財務スコアですし、
今回は
その評価法を
自分なりに確立したというわけです。
<研究対象にしたバークシャー投資先のバリュエーション評価>
バークシャー保有上位銘柄の
比較的近年に投資をした銘柄に対する
投資タイミング付近での
各バリュエーション評価です。
BGRは各社魅力的(※1)です。
※1
・アクティビジョンブリザードだけがやや高めですが、
これはM&A後の成長期待値も込めたもので、
バフェットがやや高めでもとの評価を言及したことも
あったと記憶しています
・バークシャーがアップル社に投資した
2016年時のGVRは11を超えており、
(98年、09年は参考として掲載)
やはりGVR単体判断としては不足であり、
新規のBGRや詳細のGARP分析が武器になります
・参考としてバークシャーの投資前の
アップル(AAPL)社のバリュエーション評価も入れました。
例えば、リーマンショック直後の同社バリュエーションは優秀です。
・さらに、アップル社がまだ98年、
中型時のバリュエーションに関しては
BGRとともにGVRも1倍割れ、
かつ私のGARP分析でも
最高スコアのSランクでありました。
(もちろん100倍株は楽々クリアの事例です)
・一方で、同98年アップル収堅性スコアは25と高くはなく、
まだ財務脆弱な部分もあり、
こちらのスコアに関しては超大型株と中小型株で
評価を分ける必要がありそうです。
(ジャイアントカンパニーと新興企業での評価を分けるのは当然かもしれませんが)
以上のように、
バークシャーと似た視点で
大型株の有望投資先を探す際には、
BGRが3.5以下
収堅性スコアが50以上を
チェックするとよさそうです。
なお、
この新指標で計算した
バークシャーが買い増す前と思われる
5大商社のバリュエーション評価が
以下の通りです。
<「バフェット割安成長レシオ」による 2023年2月末 5大商社の株価バリュエーション評価>
BGRは最も高かった三井物産ですら2.00、
収堅性スコアの最も低かった住友商事でも50を超えていました!
すばらしいバリュエーションだったと言えますね。
(そして、バフェットが20年夏に最初にINした時がいかに「バカバカしいほどの激安」だったかも痛感します)
なお、
上記で研究対象にしたバークシャー投資先の
各社の直近決算前のバリュエーション評価は
以下の通りです。
<23年4月 バークシャー投資先のバリュエーション評価>
なるほど。
たしかに
BGRと収堅性スコアからみれば
同社が多少割高でも
アップルをポートフォリオの最上位量で
保有しているのも
以前より
理解できます。
(※金融機関=バンクオブアメリカの算出は別に組み立てましたが、ここはまだ自信ないです)
なお、
21年から22年の高値時には
同社はアップルを利食っているので、
割高の目安としても参考になりそうです。
そして、
この主力の米国株たちと比べて、
われらの日本を代表する
5大商社の割安度の魅力はすさまじい。
この新指標の開発を終えて思うのは、
「そりゃバフェット翁も日本に乗り込んで調査されたいわけだ」
でした。
22年から続いた下り坂において、
自分の独自分析でも
世界株と比較したバリュエーションが
圧倒的に魅力だった日本株が
世界の最前線で輝く下地は明白で、
「優良日本株の割安度が世界で輝いている!」
と改めて言及しておきます。
さらに、
この指標の確立は大きな革新で、
世界が望む優良な超大型日本株を発信する
新たな武器を創出できた、
そのように考えています。
なお、
僭越ながら、
バークシャーがHP(HPQ)に投資を決めた時の
朝香GARP分析では投資スコアは決して芳しくなく、
この春までHPの時価総額は下げており、
さらにはここにきて
ようやく大化け投資適格Cランクの
末席に入っており・・・、
何がいいたいかと言いますと、
今回のBGR・収堅性スコアと
朝香GARP分析をどうにかMIXして
さらに
選定効率の精度を上げられないか・・・、
ここは直近の課題として、
早急に取り組みたいと思います。
↓
(4月30日 追記)
試しにトライできないかと、
従来のGARPレシオの
要素を眺めたところ、
以下の表の赤点線の枠で囲った
「G」割安成長性を意識した指標の欄に、
割高な数値がなかったため
(のちに下落していくHPは対象から除いた)
その3指標を
バフェット割安成長レシオ
(青の点線で囲った部分)に加味し、
数多くの配分から、
いい具合に調合できたかと思います。
これを
V・BAGレシオ
-バリュー・バフェット・アサカ割安成長レシオ-として、
今後は活用していくことにしました。
(今後の更なる検証で大きなネガティブな歪みがでれば再び調整する暫定値になる可能性は含みます)
→2023年5月9日
従来のBAGレシオは後日の検証により、
V・BAGレシオ(バリュー・バフェット・アサカ割安成長レシオ)に
変わりました。
<研究対象にしたバークシャー投資先のバリュエーション評価(V・BAGレシオ版)>
改良前の割安判定だったHPが
V・BAGレシオでは
ほどよくやや割高寄りの判定となり
他の銘柄も概ねよい具合。
各社直近決算前の
4月21日の値も、
アップルのBAGレシオの数値が
原版より若干高く出てしまいますが、
それでも私のGARP分析よりも
現状のバークシャー保有を否定しない数値であり、
同社の
堅固なエコシステムと
収堅性スコアを加味すると、
総合割安成長度は
決して高いとはいえない
スコアにおさまっており
(割安感もないですが)
いい塩梅な印象です。
日本の5大商社株の
バージョンもみておきましょう。
<5大商社の株価バリュエーション評価(BAGレシオ編)>
・バークシャーが投資をした20年8月の数値
20年8月のバフェット割安成長レシオで
最割安だった三菱商事が2番手になりますが、
それでもまだバカバカしいほどの割安度を維持。
↓
・バークシャーが来日して追加投資をする前の23年2月の数値
さらには、
この同期間・5大商社の中で
最も上昇した丸紅が
20年8月のBAGレシオでは最も割安でした。
┣仮に20年8月のバフェット割安成長レシオで最安の三菱商事を選ぶと上昇率・2位
┣仮に同GARPレシオ分析で5社の中では唯一Aランクを獲得した三井物産を選んでも上昇率・同2位
ということで、
総合値を使ってもいいし、
自分の投資スタイル
(グロースorバリュー寄り)や
投資期間
(長ければやはり収堅性スコアが高いほうがよりセーフティー)などで
どこに重きを置くかで
応用的な使い方もできる
表になっているかと考えます。
そして、
まずは新指標を
今後の大型株に対して活用していき
私も次のステップに進みたいと思います。
(中小型にも参照値として掲載。なお、この塩梅は10倍100倍大化け株のサンプルをひとつひとつ検証して、もっと精密な調整を行う可能性はあります)
また、
このBAGレシオを早速活用しました。
さらに、
来月5月はこの新しい武器を使って
「時価総額1兆円企業約150社すべてorその中の配当1.7%以上の全社」
の割安度を随時算出し、
特別企画として
5月号の中で
すべて公開していく予定です。
(主力企業決算の終わった業種群から随時行います。大手商社に関しても三菱商事・住商の5月9日決算終わって1週間を目安に最新の財務指標にてBAG等の算出をすることにいたします。なお、このGWは全精力を傾けて私の分析とBGRのMIX調合の精度向上トライやエビデンスを増やし、5月には日本の誇る超大型割安成長株を選出していきます)
また、
その他の流れとして
・5月21日or28日:2022年分年間企画特典(全体市場を鑑みた守り重視銘柄のセレクト・ピックアップ)
・5月28日or6月4日:月刊マガブロ5月号分 定例の銘柄割安度更新
というスケジュールを予定しています。
世界が欲する
日本の大化け株をつかめるよう、
ますます精進して努力を積んでいきます!!
以上、
【バフェット・割安成長レシオ 誕生!】
たしかに5大商社株への投資は「バカバカしいほど」割安だったの巻!
+
~その後の改良版『BAGレシオ』も誕生~
でした。
↓
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